バイオマス発電施設等見学研修報告

1.と き:平成31年3月13日(水)~3月14日(木)

2.行 先:三重県(松阪市、津市)

 (1)3月13日(水)
   1)「ウッドピア木質バイオマス利用協同組合」【木質チップ化施設】
   2)「三重エネウッド㈱バイオマス発電所」
   3)松阪木質バイオマス熱利用協同組合関係施設
     ①「辻製油(株)」【熱利用】
     ②「松阪木質バイオマス熱利用協同組合」【ボイラー】
     ③「うれし野アグリ㈱」【熱利用】
   4)加藤 進((元)三重県保健環境研究所)氏から「バイオマス利用の現状と問題点」につきレクチャー&質疑
 (2)3月14日(木)
   5)株式会社グリーンエナジー津バイオマス発電所(JFEエンジニアリング㈱津製作所内)

3.参加者:会員 16 名

4.研修結果

 松阪市内では、一つの地域内で、異なった業種の工場が集まり協同組合を作り、地元の森林から採取した間伐材や建設廃材等を活用し、 木質チップをバイオマス発電施設やバイオマスボイラー施設に燃料として供給し、蒸気をハウス栽培(トマト)用の熱利用として提供する等、 燃料供給工場と燃料受給工場を近隣に上手く組み入れたシステムが構築されていた。
 津市内では、木質チップやマレーシアやインドネシアから搬入したPKS(パームヤシ殻)を燃料としたバイオマス発電所が設けられており、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を活用して売電されている。また、地域資源である未利用間伐材等の利用、里山再生など地域創生に貢献されていた。
 課題としては、間伐材等の安定した供給が挙げられていた。

5.見学研修概要

 (1)「ウッドピア木質バイオマス利用協同組合」
   1)施設概要
     ・所在地:三重県松阪市木の郷町16番地
     ・事業内容:未利用森林資源(未利用間伐材・林地残材等)の集材、木質チップの製造販売
     ・施設概要:第1工場 敷地 16,500m 生産能力220t/日
           第2工場 敷地  7,462m 生産能力180t/日
     ・2006年5月設立
   2)見学風景



 (2)「三重エネウッド㈱バイオマス発電所」
   1)施設概要
     ・所在地:三重県松阪市小片野町1751番地1
     ・事業内容:未利用間伐材等を燃料とした発電事業
     ・施設概要:流動層ボイラー、衝動式抽気復水型蒸気タービン(発電出力5,800kw)
     ・設立:平成24年12月13日
   2)見学風景



 (3)松阪木質バイオマス熱利用協同組合関係施設
   1)施設概要
     ・所在地:三重県松阪市嬉野新屋庄町565-1、1252
       ①「辻製油(株)」【熱利用】
     ・「松阪木質バイオマス熱利用協同組合」から供給される蒸気を食用油製造工程(脱色など)に利用している。
       ②「松阪木質バイオマス熱利用協同組合」
     ・流動層ボイラー
     ・蒸気発生量:最大蒸発量18.0t/H、最大送気量15.0t/H(常用送気量12.5t/H)
     ・燃焼量(木質チップ):最大時115t/日(常用時96t/日)
     ・稼働時間:24時間連続運転
     ・「ウッドピア木質バイオマス利用協同組合」から供給される木質チップを燃料として蒸気を生産し、
       組合員である「辻製油㈱」や「うれし野アグリ㈱」へ供給している。
       ③「うれし野アグリ㈱」【熱利用】
     ・「松阪木質バイオマス熱利用協同組合」(バイオマスボイラー施設)から供給される蒸気をトマトハウス栽培(暖房)に利用している。
   2)見学風景

①「辻製油(株)」【熱利用】

②「松阪木質バイオマス熱利用協同組合」【ボイラ】

③「うれし野アグリ㈱」【熱利用】

 (4)加藤 進((元)三重県保健環境研究所)氏から「バイオマス利用の現状と問題点」について、
    バイオディーゼル(菜の花、廃食油)製造方法や地域活性化に対する問題提起などのレクチャーを受けた。


 (5)株式会社グリーンエナジー津バイオマス発電所(JFEエンジニアリン㈱バイオマス発電所)
   1)施設概要
     ・所在地:三重県津市雲出鋼管町1番地
     ・事業内容:PKS(パームヤシ殻)及び木質チップを燃料として発電し、電力は、FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)を活用して、関連会社などに売電。
     ・施設概要:敷地面積:約20,000m、循環流動層(CFB)ボイラ (発電出力:訳20MW)
     ・設立:2014年2月、事業開始:2016年7月1日
   2)見学風景