風力発電等施設視察

1.参加者 会員16名

2.実施日 平成30年3月7日(火)~8日(水)

3.視察概要
 再生可能エネルギーである風力発電施設を主に、火力発電所等を視察することにより、それらに関する体験的情報収集を行った。風力発電施設を間近で見ると、大きさや迫力に圧倒された。また、羽根の回転音が高いということであったが、近隣に民家がなく、騒音等の苦情はないとのことであった。

(1) 関電御坊発電所 望月副所長 他
  ・日本初、外海の人工島に造られた火力発電所(和歌山県御坊市塩屋町)
  ・出力 180万kW(60万kW 3基)  視察時、点検休止中。
  ・燃料:原油(主)、重油、 タンク:浮き屋根式 6万kL 4基
  ・ボイラー ⇒ 蒸気タービン(高中圧タービン⇒低圧タービン)で発電 ⇒ 変圧 ⇒ 変電 ⇒ 送電(御坊⇒信貴変電所)
  ・排ガス処理: 脱硝 ⇒ 電気集塵 ⇒ 脱硫(石灰使用)
  ・高潮対策: 避難塔
  ・植栽: エコロジー緑化(地域にある木を植え、自然に育てる。)

 
 

(2)日高港新エネパークPR館(御坊市塩谷町) 吹山館長 他
  ・関電・御坊市が運営(H30年4月から御坊市のみが運営)
  ・再生可能エネルギー(太陽光発電や風力発電等)を展示し、PRしている。
  ・太陽光発電: 多結晶型(発電効率が良い)、薄膜型(シリコン) 10枚 100kW
  ・風力発電: 直軸型、水平軸型

 
 

(3)広川町風力発電所(広川町広) 役場 濱口氏
  ・平成16年度 地域新エネルギー導入促進事業(広川町が事業主体) 3億7千万円(経産省補助 1/2)
  ・メーカー ドイツGE社、修理 愛知県業者、年間管理費600万円
  ・支柱 高さ65m、羽根(FRP製) 3枚、長さ35m、耐用17年
  ・風力 3m/S以上で羽根回転、4~5m/S以上で発電、25m/S以上で風を回避(自動制御)
  ・電力は関電に売電 年230万kW
  ・設置後、20年をすぎると、買取価格がかなり低下

  

(4)広川・日高川ウィンドファーム風力発電所 (日高川町平川) 佐々木所長 他
  ・2014年11月竣工、 事業主体 エコ・パワー(株)、日立製
  ・容量 20,000kW(2000kW 10基)、年間発電量 44,000MWh
  ・2系統 10MW 2系
  ・上昇流の風を受けるために、羽根はダウンウインドに設置
  ・羽根 39m 3枚(FRP製)
  ・風速 4~25m/Sで発電(12m/Sで2MW) 6m/Sで採算とれる。25m/S以上でフェザーリング(自動制御で羽根の角度を変え、羽根を止める。)⇒ 翌日、羽根を復帰(風力発電は、維持に人手がかかる。)
  ・3年ごとに点検
  ・夏場(6~8月)は風がなく、発電停止

 


(参考)  <風力発電の仕組み>
 羽根(ブレード)が風で回転 ⇒ 動力伝達軸でナセル(発電機等装置)へ回転が伝わる。 ⇒ 「ナセル」の中(「増速機」でギアにより回転数を増やし、回転速度を増加 ⇒その回転を「発電機」で電気に変換) ⇒  発電された電気は「塔体」の中を通って「トランス(変圧器)」で昇圧され、送電線(または配電線)を通って届けられる。
※「ナセル」の中には「ブレーキ装置」も付いており、台風や点検の時に、羽根の回転を停止。