1.事業の概要
大阪府下環境団体は、組合員の企業活動に伴う環境負荷の低減と環境経営の継続的な改善を図っていくためにエコアクション21(EA21)の取組を行うこととし、EA21認証取得のための研修事業を特定非営利活動法人大阪府環境協会に業務委託し、平成21年度から平成25年度まで組合員のEA21認証取得のための支援を行ってきた。
2.委託業務名 「エコアクション21取得研修事業」
3.委託期間 平成21年度~平成25年度(5年間)
4.研修内容 エコアクション21取得に関するグループ研修及び個別研修
5.研修対象者 大阪府下環境団体が指定する組合員
6.研修実績
(1)研修実施事業者数
年 度 |
研修事業者数 |
研修中止事業者 |
認証取得事業者 |
備 考 |
平成21年度 |
15 |
2 |
13 |
|
平成22年度 |
5(2) |
2 |
||
平成23年度 |
2(2) |
2 |
||
平成24年度 |
||||
平成25年度 |
1 |
1 |
||
計 |
23(4) |
18 |
注)( )は前年度からの継続事業者数
7.認証取得事業者
認証取得事業者とその後の状況については次のとおりである。(総計18事業者)なお、認証取得事業者の内、認証後の中間審査、更新申請の際に支援が必要な事業者について、運用支援を行った。
8.業務委託費
「エコアクション21取得研修事業」の業務委託契約に基づく、業務委託費は次の通りである。
業務委託費
年 度 |
金 額 |
平成21年度 |
2,265,270 |
平成22年度 |
883,407 |
平成23年度 |
398,564 |
平成24年度 |
132,582 |
平成25年度 |
480,826 |
計 |
4,160,649 |
9.まとめ
エコアクション21(EA21)は、環境省が規定した環境経営システムであり、環境の法令順守とともに適切な環境配慮について組織的・計画的に取り組める仕組みになっている。このため、環境面における取組ではあるが、方針‣目標の設定とともに事業活動を適切に記録し点検する仕組みは、経営面での継続的改善にも役立つものである。
このことは、貴組合が意図された組合員企業の体質強化と環境配慮の充実に一致するもので、地域環境の保全に資する組合員各社にとって、継続的な改善を図りながら発展する手段に用いることが望まれた。
EA21のガイダンス研修から熱心に取り組まれ、認証取得後も審査の過程で継続的な環境改善を進めている各社は、自らの活動に対する新鮮な気づきを持ち、今までは見過ごしていたことに価値を見出されていると思われる。
他方、マネジメントシステムの屋台骨であるPDCA(計画・実行・点検・見直し)サイクルへの戸惑いやパソコンを用いたシステム的なデータ処理への不慣れが見受けられ、これを克服する必要があったこと、またEA21そのものの認知度はISOに比べて低く、事業発注者側からのEA21認証取得事業者に対する好意的な認識が希薄であること、さらには認証取得による事業メリットについても、環境負荷削減に伴う事業経費の節減効果が目に見えて顕著でないことが理由で、賛同を得られなかった事業者もあった。
また、認証取得された事業者でも、協同組合からの支援がなくなると、認証維持のメリットについて、経費節減等の直接的な経済メリットのみが着目され、企業体質の改善や環境配慮の充実など、経済メリットに直結しにくい効果については、十分な評価が得られなかったため、取り下げされた事例もあった。
ただし、大阪府下環境団体としての「エコアクション21取得研修事業」に対する評価については、EA21中央事務局(一般財団法人持続性推進機構)が実施している「関係企業グリーン化プログラム」において、参加30事業者のうち5事業者の認証登録を目標にしていることから、本研修に参画した組合員の活動は充実したものであったと言える。
一方、産廃の優良認定制度や環境配慮契約、入札での加点(大阪府は平成25年から)、融資制度での優遇、顧客からの要請など、この5年間においてもEA21を取得していることへの社会的な要請は徐々に確立されているところである。
このようなことから、大阪府環境協会としては、貴組合員からのEA21認証登録にかかる支援要望があれば、今後とも協力をしていく姿勢にある。
最後に、本事業における貴組合関係者のご協力に謝辞を申し上げます。